ミュージックインストラクターズ養成学院

音楽療法士〜資格取得後の奮闘記

第十四回「手先からの意思表示」

第十四回の音楽療法が終了しましたので、アセスメント、プログラム、記録等ご報告
させていただきます。

 

[アセスメント]
人数:47名(うち男性10名、女性37名)
今回は新規の利用者様が7名増え、初参加となります。初めての方には、事前に話もさせていただきました。
そして、今回も前列はファンと言っていただける女性、男性の方も座っていただけました。
スタッフ様に話を聞くと、今日の音楽療法で朝から髪を櫛でとく方や、音楽療法の為に昼寝を先にされる方、
お化粧をされる方と音楽療法の日には女性が特に普段と違う生活リズムになる、と教えていただけました。
時間は、14時からの始まりになります。

 

[プログラム]

1.挨拶
はじまりの挨拶、そして初参加の方もいらっしゃったので、自己紹介もさせていただきました。
はじめからしっかりと声を出し挨拶をしていただける方が多くいらっしゃいました。

 

2.準備運動
・呼吸法
→今回は、”風車”を人数分用意し、一人一つずつ持って実施しました。
「一気に吹いて皆さんで綺麗に回しましょう!」と説明すると、多くの方が息を溜める姿が見れました。
その後、「長く息を吐いて長く風車を回しましょう!」と説明し、多くの方が実施できました。
なかなか回らない方も、しっかりと回そうとする顔が伺え、スタッフの方と一緒にしていただけました。

・発声法
→今回は、「わっしょいわっしょい!」とお腹からしっかりと声を出すことを意識し実施。
はじめからしっかりと声が出ていることも確認でき、お腹を意識している姿や口を動かしていることも確認できました。

 

3.季節の歌
『花』と『朧月夜』の二曲を歌唱。歌唱後に質疑応答も実施。

→『花』を歌唱後、質疑応答にて
「春に咲く花は何がありますか?」と質問する前に、ほとんどの方が、「春に咲く花…」と話の途中で答えていただけました。
前列の方、後列の方、端にいらっしゃった方、と今回はかなり多くの方が答えていただき、計10名の方が自ら答えていただけました。
そして、「菜の花」と答えていただけたので、関連して『朧月夜』を歌唱。

全体的に今回は質疑応答がしっかりとできていることがこの段階で確認できました。

 

4.手遊び歌
『春の小川』を歌唱。その後、手遊びの説明をし、唄いながら手遊びを実施しました。

→手遊びでは、一度「グーチョキパー→手拍子」を実施。その後、他の内容の手遊びも実施しました。
前回と同じく、説明する前からしっかりと指を伸ばしたり力強く握ったりとできていました。
(普段のスタッフ様のレクレーションにて習慣付いてるとのことです。)
寝たきりの方も参加されているので、事前にスタッフ様へ補助をお願いしました。
寝たきりの方へ補助していただいたスタッフの方が、「両手を握りながら歌唱すると、
それに答えていただけるように手を握って意思表示しながら、唄っていました。」と教えていただけました。

なかなか今まで「指を出す」ということでは、寝たきりの方には難しいことでしたが、しっかりと曲に合わせて身体を使った意思表示をしていることが改めてわかりました。

 

5.合奏
『浦島太郎』に合わせ合奏を実施。
合奏では、模造紙に書いた鳴らし方もほとんどの方がすぐに覚え、
間違える事なく合奏がきれいに揃いました。

→合奏は、ここ最近の実施内容で振り返ると、きれいに揃っている、きれいに全員が止める、ということができています。
「補助しながら」や「隣で一緒に鳴らしながら」といったスタッフ様の協力もあって、全員ができていました。
次回は、前列後列などでグループ化をして一度合奏に挑戦してみようかと思います。

合奏終了後、楽器を回収し、少し身体を伸ばしました。

 

6.懐メロ
『高原列車は行く』と『東京ブギウギ』を歌唱。その後、東京ブギウギに関連して、本人歌唱曲『買物ブギ』を聴いていただきました。

→先ず曲の説明を実施しました。
そして『高原列車は行く』を歌唱。歌唱時は、合奏の名残もあり、自ら手拍子を取る方や指揮する方、
身体を動かす方といらっしゃいました。(あまり興奮し過ぎないように配慮もしました。)

次に、二曲目の『東京ブギウギ』の模造紙を出し、質問を先に実施。
「この曲を唄っていた方は次の三人の中で誰でしょうか? ㈰並木路子 ㈪高峰秀子 ㈫笠置シヅ子、さてどれでしょうか?」
と考えて手を挙げて答えていただけるようにしました。
そして、質問をするときに、「㈫笠置シヅ子」とセラピストが言ったときにほとんどの方が「あっ!そうや!」
「そうか!笠置シヅ子やった!」と反応がすぐにわかりました。
答えていただけるのもほとんどの方が㈫にて手を挙げて答えていただけました。

こちらも歌唱時は問題なく、一曲目と同じく自らリズムや手拍子を取る方が多くいらっしゃいました。

本人歌唱曲『買物ブギ』では、多くの方が目を閉じ、前のめりになりながら聴いて同時に口も動かしていました。
このとき、ほとんどの方が目を閉じて聴いていたのですが、近くにいらっしゃったベッドで寝たまま参加いただいてた方が、
目を開け、近くのスタッフ様に「この曲、買物ブギ」と答えていただける姿も見れました。
そのほかの寝たきりの方も表情を変えたり、と変化はありました。

 

7.体操
『白鳥』をBGMとし、体操を短く実施。
→疲れている様子も無く、体操もしっかりと身体を伸ばしていただけました。
クールダウンの誘発もしっかりとできました。

 

8.クールダウン
『夕焼け小焼け』をピアニカの音に合わせ歌唱。クールダウンをとり静かに終了しました。

→ピアニカはやはり音で覚えてる方もいらっしゃるとのことで、段々と「クールダウンはピアニカ」ということが定着しているかと思えます。

 

[記録・反省]

・今回は新規の利用者様が7名いらっしゃり、全員が最後まで一緒に参加していただけました。
その中で、一名がベッドで寝たきりの方(隣にスタッフ様の補助あり)になりますが終始こちらを目を開けて見て参加をしていただけました。
(歌詞を目で追うことも確認)
途中で、その方がスタッフの方に「これ(ベッドの柵)を横にして退けて」と自ら注文していたとのことでした。
終了後も手を握ると指もしっかりと動かしていただけました。
その他の初参加の方々も、スタッフの方に「楽しかった!次はいつ?」と仰っていました。

・車椅子の男性の方が、「いつも車椅子のまま徘徊をして他の車椅子の方に当たる」ということがあり、スタッフの手に届く範囲で今日は参加していただいたのですが、今回は60分の中一度も徘徊がなく、むしろ前のめりで参加していた、とのことでした。

・今回も質疑応答がよくできており、いつも答える方だけでなく後列の方や端で参加されていた方、と様々な方が大声で答えていただけました。
その中で、普段答えない方(いつも下を見ながら参加される方)も前を向いて答えてる姿をスタッフの方々がびっくりされてました。

・担当のスタッフ様に話を聞くと、一年の間で「途中寝る方」や「退席される方」がいなくなったと話をいただけました。
そして上記にも書かせていただいた通り、音楽療法の日にあわせて、髪をとく方やお化粧をする方、と生活の一部が著しく変更しており、自然と音楽療法のセッション中にコミュニケーションを取る方が多くなっている、と教えていただけました。

・手遊びの時の、寝たきりの方の反応(手を出す、唄うといことの意思表示ができている)は初めて気付きました。
指を出すことに重点を置いてましたが、今回のように寝たきりの方も手を力強く握ったりと 意思表示がわかったことにより、次回からスタッフ様の補助をしていただくときにその意思をなるべく受け取り、そこから手を出していただくように説明させていただきます。

・“風車”の使用は初めての試みでしたが、しっかりと息を吹き、回そうとする姿が見受けられました。
はじめに消極的な方も中にはいらっしゃったとのことでしたが、「懐かしいな」と言いながら力を入れて吹いている姿が最後は確認できたとのことでした。
個人的には、吹くとき、風車を回すときにもっと工夫してできれば、と思えました。
風車の他にも“紙風船”を使用したりといろいろと工夫もさせていただきます。

 

【学院長より】
段々効果が出てきて、セラピスト自身も驚いてるでしょうね。

君の会話力もクライアントを楽しませる要素が大きい事は言うまでも有りませんが、良く学院で学んだ事を忠実に再現出来てて、感心します。

3月の全国音楽療法協会の学びも大きかったですね。
全てをアイデアとして自分の物に出来てる事に感心しました。

これからも頑張ってください。
沢山の情報やアイデアを提供します。