ミュージックインストラクターズ養成学院

音楽療法士〜資格取得後の奮闘記

第十八回「経過の実績」

第十八回特別養護老人ホームの音楽療法が終了しましたので、アセスメント・プログラム・記録等をご報告させていただきます。

 

[アセスメント]

今回人数は51名になります。
前回、八月が中止になってしまった為、2ヶ月ぶりの実施になります。
誘導時には様々な方に、「先生久しぶりですね!」や「待ってましたよ!」などの声を掛けていただきました。
そしてほぼ全員がお身体等の変わりもなくお元気な様子でした。

時間は14時からになります。

 

[プログラム]

1.挨拶
→全体の様子を見ると、アセスメントと同じく2ヶ月前とは変わりのない様子でした。
季節も変わり、秋の季節の話も少しさせていただきました。

 

2.準備運動
呼吸法と発声法を実施。発声法では、「わっしょい!」とお腹を意識して声を出しました。
同時に手も挙げて発声しました。

→発声では、非常によく声が出ており、手を挙げていただける方は寝たきりの方以外ほぼ全員でした。「お腹を意識して」と説明をすると、多くの方が姿勢を正し、お腹を触りながら準備していただけました。
非常によくできていた為、その流れで次のプログラムに入りました。

 
3.季節の歌
『赤とんぼ』を歌唱。曲の説明も実施し、歌唱後には、様々な質疑応答をしました。

→歌唱はよくできていました。後列の方もよく声が届いており、自ら指揮を取りながら唄う方も多くいらっしゃいました。
質疑応答では、「赤とんぼはここ最近で見ますか?」や「赤とんぼ捕まえ方はどのようにしますか?」をして、様々な方に答えていただけました。
「赤とんぼは○○(付近の場所)に行けばまだいてると思いますよ。」「赤とんぼは指をこうして(回す仕草)獲ります。」と近くのスタッフ様方やセラピストに話をしていただけました。

 
4.手遊び歌
『里の秋』を歌唱し、同時に手遊びを実施。
手遊び内容は、「片手がグー、もう片手がパー→手拍子→片手がパー、もう片手がグー(入れ替え)」になります。

→歌唱は季節の歌と変わらず、よく声が出ていました。手遊びは、難しいと言われる方が多くいらっしゃいましたが、参加率でみると、8割9割程の参加でした。笑いながら、「難しいわ~」と仰る方や、スタッフ様と一緒に参加される方といらっしゃり、結果ではよくできていました。
手はいつも通りしっかりと広げたり握ったりとできていました。
寝たきりの方には、補助も入っていただき手拍子のときにしっかりと手も握っていただき、意思疎通を図っていただきました。

 
5.合奏
『虫の声』の曲に合わせ、合奏を実施しました。今回は再びグループ分けも実施し、レベルを上げた合奏にしました。

→曲に合わせた合奏は、前の模造紙をしっかりと見て参加いただけました。
合奏自体は一致する事がよくできていました。
寝たきりの方には再び補助をしていただき、両手で握りながら合奏をしていただきました。
グループ分けでは今回は前後に分かれて実施しました。前ではセラピストが指示し、後列のグループにはスタッフ様にお手伝いしていただきました。
前回グループ分けを実施したときよりも、音の一致がよくできていました。後列のグループで音が鳴ると間違えて前の方が鳴らしてしまう、といった事が以前はありまし
たが、今回は久しぶりの実施でも問題なく前後と綺麗に揃っていました。

なるべくこのようにグループ分けを実施して、潜在意識を持っていただけるように次回も努めてみます。

合奏後には少し身体を伸ばしていただきました。

 
6.懐メロ
『あこがれの郵便馬車』と『人生の並木路』を歌唱。歌唱前に曲の説明、時代の説明を実施しました。そして今回も回想を深める為、岡本敦郎繋がりの『高原列車は行く』と昭和12年の戦前の時代繋がりで『裏町人生』の本人歌唱曲を聴いていただきました。

→『あこがれの郵便馬車』は歌詞を出すと、「どんな曲やったかな?」と言われる方が多かった為、一度1番を歌唱しました。すると途中から一緒に唄われる方が多くいらっしゃいました。説明後に歌唱しました。
そして歌唱後に、「岡本敦郎さんというと、こんな曲がありましたよね?」と高原列車は行くの「ランララララ~♪」の箇所だけをヒントで唄い、思い出していただきました。そして本人歌唱曲を聴いていただきました。

『人生の並木路』では、後列の女性の方が「ディックミネの曲!」と教えていただけました。近くのスタッフ様方はびっくりされておられました。歌唱もよくできており、どちらかというと、『あこがれの郵便馬車』よりは今回は人気曲と思われます。
歌唱後には、時代背景を再び説明し、当時の流行歌の説明もしました。その中で今回は、『裏町人生』を聴いていただきました。
以前からのアセスメントで、戦前に青春を迎えた方や、戦前に思い入れがある方が多かった為、選曲をしました。

歌唱後には、クールダウンに向け、少し身体を伸ばし、深呼吸をしました。
そしてクールダウンに入りました。

 

 

7.クールダウン
『夕焼け小焼け』をピアニカの音に合わせ、最後は歌唱し、クールダウンをとっていただきました。
→最後はクールダウンをしっかりと取っていただき、静かに終了しました。

終了時間は、ちょうど一時間の15時になります。
[記録・反省点]

・2カ月ぶりの音楽療法になりますが、基本的に体調等の変わりもなく、声もよく出ていました。中には、「お久しぶりです。」と声をかけていただける方もいらっしゃいました。

・手遊び歌では、参加率が非常に良かったと思えました。普段の実施でも参加率は高いのですが、今回は参加率が高いだけではなく、笑顔も見せていただきながらされる方や、悩みながらしっかりと追いつく方などがよく見れました。後でスタッフ様に話を伺うと、
(スタッフ目線では)普段よりレベルアップしたように思えましたが、よく参加いただけました。と仰っていただけました。

・合奏は、楽器を持つだけで笑顔になる方もここ最近では多く、プログラム内の一番の楽しみと仰っていただける方もいらっしゃいました。
グループ分けでの合奏途中で三三七拍子を取り入れましたが、前後グループ共に綺麗に揃った音を出していただけました。なるべく、グループ意識を持ってしていただけるように次回も努めてみます。

・今回、終了後の打ち合わせが普段のスタッフ様ではなく、施設長様とさせていただきました。施設長様には途中から見学もいただき、様々な話をいただけました。
懐メロで今回も様々な方に回想ができていましたが、最近入居された方にも以前実施した懐メロを実施して回想をしてみてもいいのではないか、との話でした。
現在参加いただいてる方はほぼ固定になってきていますが、実施して1年半経ち、入居者様が入れ代わりになる事もあった為、以前実施した懐メロを是非とも取り入れて、各々の年齢や時代背景に合わせて以前実施した懐メロをもう一度取り入れてみようかと思います。
セラピスト個人としても1年半の間に様々な経験を積ませていただいてるので、更に深い回想も見込めるかと思えます。早ければ来月に実施をしていきたいと思います。

・そして、施設長様にはもう一つお話をいただけました。
見学をしていただけたのも久しぶりということもあり、以前見学したときよりも目でわかる程音楽療法の時間でのクライアント様の姿が違っていたと仰っていただけました。説明時に前のめりになる方や、全員が歌唱の時の声量が上がっている、そして曲を聴いて涙をされる方や、笑顔が出て活気が溢れている方とそういった変化がありびっくりしました、と仰っていただけました。
改めて特別養護老人ホームでもデイサービスでも「音楽に力があると」実感しました。とも仰っていただけました。

・以前、
セラピストのファンと言っていただける女性が突然リクライニング式の車椅子になっており、首を負傷されている、と記載させていただきました。その方は「治してからまた参加します!」と以前仰っていただけましたが、
今回は、言葉通り完治して最前列で参加していただけました。
終了後には、手を握り、「今日もありがとうね。手が動きにくいけど、また来てちょうだいね。身体に気をつけてね。」と言葉をかけていただけました。お元気になり、無事に回復をして参加いただけた事を改めて報告させていただきます。女性は99歳になります。

 

 

【学院長より】
お疲れ様です。

真面目にしっかり勉強されてますね。
まだ25才という若さでこれだけのセッションにたどり着いたのは努力としか言いようがないですね。

手遊びは、クライアント全員を見ながら完成度を問うのは難しいですが、完全に出来ることは求めません。
出来てしまうと効果的ではありません。
あくまで出来そうで、レベル的に少し難しい、という内容が良いのです。
勿論、レベルはどんどん上がっていく事は言うまでもありませんが。

よく頑張っています。