ミュージックインストラクターズ養成学院

音楽療法士〜資格取得後の奮闘記

第二十回 「笑顔と質疑応答」

第二十回特別養護老人ホームでの音楽療法が終了しましたので、アセスメント・プログラム・記録等ご報告させていただきます。

 

[アセスメント]
人数は51名になります。
今回は新規利用の方やショートステイの方が多くいらっしゃいました。
ショートステイの方々は、音楽療法に是非とも参加をしたいということにより今回のショートステイ利用の方は音楽療法に合わせた日程とのことでした。

誘導時に来ていただいてる方に、順番に挨拶をして話をさせていただきました。
先に座っていただいた方々はショートステイ利用の方が多く、「今日の音楽の為に来たよ。」と握手をしながら話をさせていただきました。
その他の方も「もう少し前に行かせてほしい」など、とにかく前列に行きたいという方が多くいらっしゃいました。
アセスメント時で、気温が低くなり体調を崩されてる方や体調が優れない方というのは、特にいらっしゃいませんでした。

スタートは14時からになります。

 

[プログラム]

1.挨拶
はじまりの挨拶を実施。そして、11月の季節に合わせた秋の話を少しさせていただきました。

→話に答えていただける方もいらっしゃいました。そして隣に補助に入っていたスタッフ様と一緒に話をされる方も多くいらっしゃいました。

 

 

2.準備運動
『ジムノペディ』をBGMとし呼吸を整えました。その後、発声を実施。

→呼吸を整えるときに、多くの方がしっかりと目を閉じて手を上に挙げたり下げたりとしながら呼吸を整えてる姿が確認できました。
発声ではしっかりとお腹から声を出すことを考え、発声を実施しました。中にはフライングをして先に大声を出してしまう方もいらっしゃいましたが、それに対して笑う方も多く、その笑顔の中、発声をしっかりと実施できました。

 

 

3.季節の歌
『紅葉』を歌唱。季節に関する話や、曲に関する話、そして質疑応答も実施しました。

→歌唱に関しては、特に問題なく非常に綺麗な歌声で唄っていただけました。
曲に関する質問で、「奈良だと紅葉の名所はどこですか?」と聞くと、すぐさま「奈良公園!」「談山神社!」「吉野!」と多方面から教えていただけました。
その調子で他にも「奈良以外で大阪や京都といった関西だと紅葉の名所はどこがありますか?」と聞くと、「やっぱり箕面やね」「嵐山とか清水寺も綺麗ですよ」と先程と同じく多くの方が答えていただけました。

この答えていただけた事を後にスタッフ様と話をさせていただくと、「恐らくこれは利用者さんが昔に行ったことのある場所を思い出して教えていただけたのだと思います。一度以前に同じ内容を聞いたときにその話をされていました。」と教えていただけました。

今回はこの時点で質疑応答がしっかりとできることが確認できた為、その後に様々な所で質疑応答をしました。

 

 

4.手遊び歌
『七つの子』を歌唱し、同時に手遊びを実施。
手遊び内容は、
(1)グー→チョキ→パー→手拍子
(2)グー→片方がチョキ、もう片方がパー→入れ替え→手拍子
になります。

→歌唱や手遊びに関しては結果的に特に問題はありませんでした。歌唱は、やはり馴染みの曲ということもあり非常によく声が出ていました。
そしてその後、クライアント様から「先生!七つの子の七つは子供の数ですか?」と聞かれ、急遽曲の説明を実施しました。
「七つの子の七つは“七匹”か“七歳”かどちらか」という内容を話しました。
以前からこの話は知っていた為、説明も問題なく、そしてクライアント様方も考えながら質問する形で一緒に説明と会話をしました。

手遊びに戻り、手遊びもしっかりと指を張って出していただき、手拍子もずれることなく一体感の出た音になりました。
手遊びの内容は難しいと笑いながらに参加していただける方やスタッフ様と一緒に参加していただける方が多くいらっしゃいました。
ですが、途中で辞めたり、手遊びしないといった事はなく参加率も非常に高かったと思われます。

 

 

5.合奏
『証城寺の狸囃子』を合奏。
以前と同じく、グループ分けを合奏時に実施。
今回は左側のグループ、右側のグループと分け、説明もしっかりと実施しました。

→先にグループの事をしっかりと説明をして、実施前にスタッフ様の補助もお願いしました。

合奏では、グループ意識を持っていただくために、実施前に、「こちらのグループの方ー!」→楽器を鳴らす
「続いてこちらのグループの方ー!」→楽器を鳴らす
とさせていただきました。
その後に、本番をしました。
以前と比べ、先に上記のようなグループ意識を持っていただけるような内容をするだけで、綺麗に合奏がグループ分けで合奏できました。

今回のように【「こちらのグループの方!」→楽器を鳴らす】といった事をした方がグループ意識が芽生え、合奏の盛り上がりも普段よりあったかと思えました。
なるべくこの方法は次回も使っていきたいと思います。

 

 

6.懐メロ
『旅の夜風』と『あの丘越えて』を歌唱。
先に曲の説明を実施し、歌唱に入りました。
曲に関する情報や時代の話をしっかりと説明し、質疑応答も実施しました。
その後に、本人歌唱曲を一曲聴いていただきました。

→歌詞をめくり、『旅の夜風』を見ると多くの方が、「あ〜!愛染かつらの曲や!」と仰っていただき、説明を実施しました。
質疑応答として、「俳優さん女優さんは誰が出てましたか?」「どういった役でしたか?」といった映画に関する話はしっかりと答えていただけました。そして説明も入念に話をして、歌唱に入ると合奏以上の盛り上がりがありました。

『あの丘越えて』では、歌詞をめくると、旅の夜風と同じく「○○の曲や!」と教えていただけました。ですが、多くの方が「藤山一郎の曲!」や、中には「岡晴夫の曲!」と仰っていただけましたが、「もしかして皆さん「丘を越えて行こうよ〜♪」の曲とお思いかもしれないですが、この曲は女性の方が唄われていましたよ!」と少し説明すると「ひばりの曲や!」と多くの方がハッと思い出していただけました。
こちらも同じく事前に説明を実施し、映画の話も途中で「そうやった!そうやった!」と手を叩いて思い出している方の姿が確認できました。

本人歌唱曲は、今回美空ひばりに関連して、『東京キッド』を聴いていただきました。
聴いていただいてる姿は、ほとんどの方が思い出して唄っていただき、足でリズムを取ったりと3番までしっかりと思い出していただけました。

今回の懐メロでは、前列端の寝たきりの方が起きてしっかりと目で歌詞を追い、口を動かしている姿が確認できました。
その他にも今回は曲を唄っていただけたり、聴いていただけたりと合奏以上の盛り上がりがありました。
しっかりと全体的に質疑応答ができたのも皆様が回想できている証拠かと思えました。

7.クールダウン
懐メロ終了後に、少し身体を伸ばして、落ち着いていただきクールダウンに入りました。
クールダウンは、『夕焼け小焼け』をピアニカの音に合わせ静かに歌唱。クールダウンをしっかりと取っていただき静かに終了しました。

終了は、15時ちょうどになります。

 

 

[記録・反省]
・今回はショートステイ利用のクライアント様が多く、ほぼ全員が音楽療法に参加したいということで日にちを選んで来ていただけました。
このような出来事は施設様側からも非常にありがたい、とのことでした。
そして参加いただけた皆様に終了後に挨拶をすると、しっかりと手を握っていただき「また来てね!また私も来るからね!身体に気をつけてね!」と仰っていただけました。

・今回は、はじめからクライアント様方の発言がしっかりと確認できた為、質疑応答を多く取り入れました。
質疑応答にて季節の話や懐メロの情報、曲の話と会話のキャッチボールが多方面、多くの方と出来ました。

・プログラムの順番に連れて、しっかりと声が出ており、今回は盛り上がりが非常にありました。上記の通り、質疑応答ができ、笑顔が多く確認できました。
それだけではなく、合奏のグループ意識や、懐メロの回想でも様々な様子も確認できました。

懐メロの回想の様子として、一部紹介させていただきます。
・終了後にスタッフ様と話をして「私が○歳の頃にあそこの映画館で…」と会話されてる様子が見れました。
・寝たきりの方も目を開けしっかりと唄われていたり、目で歌詞を追ったりと確認できました。
・全体的に2曲とも反応がよく見れ、初参加の方には非常に感動された様子も確認できました。

 

 

【学院長より】
七つの子、知ってて良かったですね。
憧れの存在と言うのは、いざと言うときに知ってることが大事ですね。

内容が全く同じなので、少しプログラムに変化やアイデアの変更もしていかないと、ショー等や脳のしっかりされてる方の伸展が鈍くなる可能性が有りますね