ミュージックインストラクターズ養成学院

音楽療法士〜資格取得後の奮闘記

第二十三回「特別な回想方法」

第二十三回特別養護老人ホームでの音楽療法が終了しましたので、アセスメント・プログラム・記録等ご報告させていただきます。

 

[アセスメント]
人数は46名になります。
前回は、2階の入居者様のみの実施になりましたが、今回は2階3階と全員が参加していただきました。
はじめに、スタッフ様が誘導していただきながらそれに合わせ、一人一人に挨拶をさせていただきました。
3階の方には「久しぶりですね!お身体大丈夫ですか?」とお話をしていただき、ほとんどの方に「お久しぶりです!」と声をかけていただきました。
つまり、前回参加していないということがわかっている方が多いと思えました。

時間は14時ちょうどのスタートになります。

 

[プログラム]

1.あいさつ
はじまりの挨拶、そして同時に自己紹介もさせていただきました。
自己紹介はスケッチブックを使い、名前を見ていただきました。

 

 

2.準備運動
・呼吸法(BGM「ジムノペディ」)
・発声法
の2つを実施。発声法では、前回と似た内容になってしまいますが、「ヤッホー!」とお腹からしっかりと出していただく内容になります。

→発声法では、口に手を当てていただき、「やまびこを呼ぶように出してくださいね」と説明を加え実施。すると1回目でもしっかりと声が出ており、お腹から声が出ていました。
2回目は「もっとこの部屋に響くようにお願いします!」と言うと、1回目よりはるかに大きな声で出して、そして同時に言葉も伸ばしていただきました。
前で様子を見るとほとんどの方が前のめりにぬりながら発声していただきました。

 

 

3.季節の歌
『冬景色』を歌唱。曲の説明、質疑応答も実施しました。

→歌唱に関しては特に問題なく、しっかりと声が届いていました。曲の説明時には、「1番2番3番とそれぞれの冬の景色が歌で見れますね。では、ここ(奈良)では1番2番3番のどれが一番近い冬景色ですか?」と聞くと、ある男性の方が、「ここらじゃ、やっぱり山が近いから3番かな?」と言っていただき、その他の方は、「いやいや2番ですよ!」と教えていただきました。
質疑応答は、今回はこの時点であまり多いとは思えませんでした。
(前回は別ですが)普段なら少しした質疑応答に多くの方が手を挙げていただいてましたが、今回は少ないように思えました。

 

 

4.手遊び歌
『スキー』の曲を歌唱。その後、手遊びの内容を説明し、歌いながら手遊びを実施しました。
手遊びの内容は、
(1)パー→チョキ→グー→手拍子
(2)グー→チョキ(人指し指+親指)とチョキ(人指し指+中指)→入れ替え→手拍子
になります。

→手遊びでは、(1)では普段ならグーチョキパーで実施していますが、慣れている方も中にはいると前回思えたので順番を変更しました。
一番を(1)に合わせて歌唱、そして二番三番を(2)に合わせて歌唱しました。
(2)の内容は実施中に出来ないことが可笑しくて様々な所で笑い声が聞こえました。
ですが、途中で諦める方もいらっしゃらず何とか1人で、もしくはスタッフ様と一緒に最後まで実施していただけました。
終わってからもずっと1人で首を傾げながらされている方もいらっしゃいました。
非常に笑顔が多く、歌いながら手遊びをされる姿は多く見ることができました。
ここで笑顔が多く見ることができ、和やかな雰囲気になりました。

 

 

5.合奏
『汽車(今は山中今は浜)』の曲に合わせ、合奏を実施しました。
三三七拍子や楽器を振るといった内容を中心に実施しました。

→合奏では、慣れている方や楽しみにされている方が多いことから説明の時点でもう理解していただき、自信満々な表情が多く見れました。
「ここではキレイに音を止めてくださいね!」と説明をして、一度練習をすると止めるところでスタッフ様が間違って鳴らしてしまい、多くの方が笑われていました。
スタッフ様の近くの方が「あんた止めや!」と逆に教えているという場面があり、それも他の方から笑いになっていました。
そして、本場では全員がキレイに揃えていただき二番三番と手を入れ替えて実施できました。
合奏は、非常に盛り上がり「緊張と緩和」という意味でも静かになるとそれが可笑しく感じる方もいらっしゃいました。

 

 

6.懐メロ
『港町十三番地』・『桑港のチャイナタウン』を歌唱しました。
そして、今回は前回の反省を踏まえ、
「昭和25年」に関する出来事・流行といったことを模造紙に書き、説明をして時代を振り返っていただきました。

→先ず、『港町十三番地』を説明・質疑応答をし、歌唱していただきました。
曲を見ると「ひばりやね!」と前列後列から聞こえました。「美空ひばりさんがお幾つの時に唄われていましたか?」と聞くと、いろいろなところで「14歳くらい?」「18歳くらい?」と答えていただいたり、その他にも「美空ひばりさんの本名は何でしたか?」と聞くと「加藤なんとかさんやね?」と前列の方が答えていただき、その後ろの方が「加藤和枝!和枝やね!」と思い出したように答えていただきました。
歌唱では、半数以上の方が手拍子をしながら唄っていただきました。

その後、次の曲(桑港のチャイナタウン)に入る前に「昭和25年」のことを模造紙を使い説明していきました。
「ここで皆様に昭和25年に振り返っていただきます。紙に書いていますので是非、時代を振り返ってください。」と説明をしました。
すると前列の方が「私ちょうど20歳やわ。」と仰っていただき、それに合わせ横の方が「私は15歳」と自らの年齢を先ず振り返っていただきました。
そして、今回は昭和25年に関して、
【出来事】
・第一回ミス日本に「山本富士子」
【流行・流行語】
・赤い靴が流行
・「糸へん金へん」
【本】
・「細雪」谷崎潤一郎
【流行歌】
・「東京キッド」「越後獅子の歌」美空ひばり
・「熊祭の夜」伊藤久男
・「???」渡辺はま子
・「???」李香蘭

(上記は一部抜粋して書かせていただきます。)

といった内容を説明しました。
説明時にはいろいろな反応が見れました。

・「第一回ミス日本に山本富士子さんと書いていますが、山本富士子さんはおキレイな方でしたか?」と聞くと、「そりゃもうべっぴんさんでしたよ!」と女性の方が答えていただいたり、後列の男性の方には「べっぴんさんでしたよ!」と大声で教えていただきました。

・「「細雪」は皆様読まれたことありますか?」と聞くと、前列の方が「確か読んだことあって家にも本があったような気がして」と仰っていただき、お隣の方が「この時代ではよく流行ったよ!みんな持っていたよ!」と教えていただきました。

・流行歌では、「「熊祭の夜」と書いていますが、これは何と読みますか?」と聞くと、端の男性の方が「イヨマンテ」と答えていただき、スタッフ様は知らなかったこともありびっくりされていました。スタッフ様がその方に「イヨマンテってどこの言葉?」と聞いて、「アイヌの言葉やん!」とここでも教えていただける場面が見れました。

・「「東京キッド」と「越後獅子の歌」はこの時代で、ひばりさんが当時13歳でした。」と説明すると、前列の方が「うんうん。さっきの港町十三番地より前っていうことは確かに覚えてるわ!」と仰っていただきました。

そして、敢えて次に唄う曲を「???」とし、昭和25年の説明後に、「次に唄っていただく曲は、この(???を指をさし)曲で、渡辺はま子さんの曲です!」と模造紙をめくり、
『桑港のチャイナタウン』を観ていただきました。
すると「あぁ!この曲か!」と仰っていただいたり、「サンフランシスコ!サンフランシスコ!」と読んでいただける方と反応が良かったと思えました。
そして歌唱に入ると、多くの方が再び手拍子をとりながら歌唱していただけました。

歌唱後には再び昭和25年の模造紙に戻し、
「桑港のチャイナタウンでした。この昭和25年の流行歌の一つですね。では、もう一つ「???」があります。これは李香蘭さんが唄われた曲なんですが、聴いていただきます。」
と本人歌唱曲として、
『夜来香』を聴いていただきました。
多くの方が前のめりになって耳を傾け、イントロの時点で頷かれる方や指揮を取る方と確認できました。
そして曲を聴いていただいた後には、中列の方で泣いてる女性や、目を拭いている女性と多くの方が回想できているのが確認できました。

 

 

7.体操
『白鳥』をBGMとし、座りながら簡単な体操を実施。
→先程の懐メロにて静かに聴いていただけたので、流れを崩さないようにクールダウンへ誘導しました。

 

 

8.クールダウン
『夕焼け小焼け』をピアニカにて演奏しながら、歌唱していただきました。
クールダウンをしっかりと確認し、静かに終了しました。

時間はちょうど15時の終了になります。

 

 

[記録・反省]

・今回はやはり普段より質疑応答にて答えていただける方が少ないように思えました。
ですが、クライアント様の前に行き、質問をすると答えていただけました。
少し席の配置等が関係していたのか、セラピストの質問が少し難しかったのか、と振り返る部分は多々ありました。

・懐メロでは、今回は回想を深める為、新しく「昭和25年」を振り返っていただく内容を途中で実施しました。
前回淡々と説明を口だけでしていると理解しにくい方がいるのではないかと思い今回初実施になります。
プログラム懐メロのところに書かせていただいたことが、今回確認できた反応で、それ以外にも終了後には、男性から握手をしていただきながら「僕はこの時代小さい頃やったけどいろいろ思い出して嬉しかったよ!また次は産まれた時代の事とか教えてよ!」と笑顔で答えていただきました。
やはり視覚で入る情報で説明をした方がここでは合っているように思え、そして回想を深めるためには今回は非常に効果的に説明ができたと思えます。

・懐メロの時間配分を今回は多めに実施しましたが、次回、次次回とペース配分を考えないといけないと思えました。
やはり合奏がお気に入りの方も多くいらっしゃるので時間配分は注意して次回は実施したいと思います。

 

 

【学院長より】

質問が多いと答えていただける方が決まってしまい、分かってても答えられない人が居ますので考えた方が良いですね?

セラピストの立ち位置がクライアントに近すぎて、前の人が中心に成りがちですね。

手遊びは、出来ないといけないわけではなく、理解してやってみる事が大切。

 

やってみるだけで脳はどんどん働く様になる事を毎回伝えてください。