ミュージックインストラクターズ養成学院

音楽療法士〜資格取得後の奮闘記

第二十四回「春の回想」

第二十四回特別養護老人ホームの音楽療法が終了しましたので、アセスメント・プログラム・記録等ご報告させていただきます。

 

[アセスメント]
今月から、ターミナルケアの方が2名居られます。その2名は、寝たきりのベッドでの参加になります。
参加人数は40名になり、うち男性が11名、女性が29名になります。
前回と同じく、セラピストが到着前に既に車椅子を自ら引いて場所を取っている方もいらっしゃいました。

 

[プログラム]
1.挨拶
はじまりの挨拶と季節に関する話を実施。
→挨拶では、大きな声が出ており、特に前列の方は待っていたように拍手までしていただきました。

 

2.準備運動
呼吸法、発声法と実施。
→今回の発声法は、「ドレミファソラシド」を音階として言葉に出していただき、その後、「はにほへといろは」を同じように実施。
そして、最後に「いろはにほへとちりぬるをわか…」と言葉を出していただき、教えていただきました。
いろはにほへと、の言葉を出していただくときにセラピストがクライアントの元に行き、手を差し伸べて言葉を出していただくように1人ずつ誘導しました。
「○○さんは、あまり声を出しづらい方」というのもアセスメント時に分かっていたことなのでなるべく発声で誘導しました。

 

3.季節の歌
『花』と『朧月夜』を歌唱。

→先ず、模造紙をめくり、曲の紹介をすると「あー!」や「春のうららのか!」と多くの方が反応していただけました。
先に簡単に曲の紹介をし、その後『花』を歌唱。
そしてもう一度歌詞を1番だけ振り返り説明、質疑応答を実施。
質疑応答では、「春に咲く花は何がありますか?」として、多くの方が「桜!」「すみれ!」「チューリップ!」と答えていただきました。その中に「菜の花!」という答えも出ており、次の曲に入る前に「菜の花に関する曲があります!この曲です!」と模造紙をめくると再び「あー!」と大きな歓声が聞こえました。
そして説明、歌唱として季節の歌を実施しました。

 

4.手遊び歌
『春の小川』を歌唱し、同時に手遊びを実施。
手遊びの内容は二種類になり、
①両手でチョキ→人差し指と親指でチョキ
②両手でチョキ→親指と小指
になります。

→手遊びは、前列の方は各自で、後列の方々はスタッフの補助にて実施しました。
歌唱に関しては問題ありません。
手遊びでは、なかなか上手くいかない時は照れ笑いが多くあり、セラピストがそれを指摘するとさらに大笑いしました。
ですが、これも前回と同じく途中で諦める方やしない方というのはありません。
見る限り全員参加で手遊びができています。

後列の寝たきりの方には、スタッフ様と一緒にしていただき、指の屈伸運動を実施していただけました。拍手もスタッフ様と一緒に手を合わせ手に刺激を伝えていただきました。

 

5.合奏
『仲良し小道』の曲に合わせ、合奏を実施。
合奏内容は1.2と3.4とで変更をし、事前に模造紙を見ながら説明しました。

→今回は途中で違う内容の合奏ということで実施しましたが、基本的に全員が前のめりに集中して説明を聞き、自ら先に練習される方も多くいらっしゃいました。
本番では、3番の始まりこそ間違う方は多かったと思えますが、途中から再びキレイな音が揃って合奏できていました。
後列の方々は同じくスタッフ様の補助をつけていただきながら実施しました。
中には、後列の寝たきりの方が合奏になると急に起き、鳴らすところを首で頷かれたり、指で反応を教えていただく方といらっしゃいました。

 

6.懐メロ
前回と同じく、先ずは今回実施する曲の時代を振り返ることから開始。
今回は「昭和23年」の出来事・流行・流行歌と説明をしました。
その後、関連して『憧れのハワイ航路』『湯の町エレジー』を歌唱しました。
歌唱後には、『東京ブギウギ』を本人曲として聴いていただきました。

→先ず、昭和23年の時代を振り返るため、出来事を書いた模造紙をめくると、
「6歳のときか」や指で年齢を計算されている方が多くいらっしゃいました。
昭和23年の時代では、
・当時の出来事
・当時の流行のファッション
・ベストセラー(本)
・流行語
・流行歌
と紹介しました。
説明時には、様々な姿がありました。
目を閉じながら聞かれる方や、セラピストの目をしっかりと見ながら前のめりになりながら聞かれる方や、中には説明時に涙される方もいらっしゃいました。

その流れで、「当時の流行歌で岡晴夫さんが唄われた曲がありました。この曲です。(模造紙をめくる)」と『憧れのハワイ航路』を出しました。先に説明をして、その後歌唱に入りました。歌唱時には勝手に手拍子をつけていただき、盛り上がりながらも「懐かしいなぁ」と言っていただきました。

歌唱後には、再び昭和23年の模造紙に戻りました。そして、2曲目の「続いては昭和23年の近江俊郎さんの曲です。」と紹介をして『湯の町エレジー』を出しました。
すると、「あー!」といろいろなところで声が聞け、「伊豆の山々か!」や「これは昭和23年か」とも言っていただきました。
歌唱時にはイントロを聴いていただいた途端、口ずさみながら「ちゃんちゃちゃん…」と口ずさみながら指で指揮を取ったり、中には座りながら踊る方もいらっしゃいました。
歌唱後は拍手が起き、盛り上がりました。

その後、再び昭和23年の模造紙に戻り、
「当時の流行歌や当時の出来事と本日は説明させていただきました。では、当時の流行歌でここに笠置シヅ子さんが唄われた曲が『???』とありますが、この曲を皆さんに聴いていただきます。」と説明をすると、様々なところで「買い物ブギやな」「あぁ、買い物ブギか!」と皆さんに想像しながら音楽をかけました。
するとイントロで「東京ブギウギ!」と多くの方が各々答え、曲を聴いていただきました。
曲を聴いているときに、
・泣かれる方
・曲の途中で「ヘイ!」と唄う方
・寝たきりの方がパッと目を開け聴かれる姿
・半身麻痺の方が車椅子のヘリで指打ちをして聴かれている姿
・踊る方
と様々な反応が前列後列と見れました。
聴いていただいた後に、笠置シヅ子さんの話を少しさせていただき、その時の様子もしっかりと集中をされ話に笑っていただく方も多くいらっしゃいました。

 

7.クールダウン
『夕焼け小焼け』をピアニカの音に合わせて歌唱。クールダウンをとり終了。

→前のプログラムで盛り上がりが非常にあったため、クールダウンには気を付けました。
歌唱前に、少し身体を伸ばし身体をほぐしていただきました。
歌唱時には背もたれにしっかりと付いていただきながら歌唱しました。
クールダウンを取り、終了しました。

終了は、15時ちょうどになります。

 

[記録・反省]

・スタッフ様曰く、本日は懐メロにて多くの方の反応が見れた、とのことでした。
上記の懐メロにて書かせていただいた内容以外にも、昭和23年の振り返りで「ほぉー」「そうやった!」と頷かれる等をして懐かしまれる姿が多くありました。
懐メロでは、今回は寝たきりの方も反応が見れました。目を覚ます方や指打ちでリズムを取る方や泣かれる方といった姿が多々見れました。

・本日参加いただいたターミナルケアの方も、
ベッドのままスタッフ補助を付けながら参加いただけました。合奏時は手を握りながらしていただいたり、懐メロも聴いていただけるようにベッドの向きを変え、調整しながら60分参加していただきました。

・本日の昭和23年の時代の振り返りは、事前にクライアント様の年齢を聞き、合わせて説明をしました。終了後に、「これは僕が10歳の時でこの時って実はこんなことがあったり、」と当時の事を教えていただきました。これは本当に多くの方が教えていただきコミュニケーションも一緒に取れました。