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2016.12.30
特集

音楽療法士〜資格取得後の奮闘記 第七回「半年の効果」

第七回の音楽療法が終了しましたので、アセスメント、プログラム、記録等をご報告させていただきます。

アセスメント

人数は、前回と同じく53名で、うち男性が12名の女性が41名でした。30分前に用意等の関係で来させていただきましたが、すでに楽しみに待っていらっしゃる方もおられました。最前列には、前回説明させていただいたファンと言っていただける方が部屋から眼鏡を持ってきて座っていただけました。順番に来られる様子でしたので、できる限りご挨拶とお話をさせていただきました。半年経つので今回は”初回と比較してどうなってきてるか(効果)”を検証できるように努めました。今回も14時からのはじまりになります。

プログラム

1.挨拶
はじまりの挨拶をさせていただきました。今月から秋のプログラムになるので、「秋の季節がやってきます!」等の話をさせていただきました。
→様子を見ると、ほぼ全員が起きてしっかり参加いただけるはじまりになりました。

2.準備運動
丹田呼吸法と発声法をさせていただきました。発声法は、前回と同じく①モノマネ ②ドレミファソラシドを言葉に出す ③はにほへとを音階を付けて声を出すというものになります。
→前回はじめから声が非常によく出ていた為、今回もその流れを崩さないように気をつけました。すると、クライアント様方は問題なく声がよく出ていました。モノマネも覚えてきていただいてる方が中にはいらっしゃったので、裏声がよく通っていました。

3.季節の歌
『赤とんぼ』を歌唱。その後、歌詞なしで秋の童謡曲を2曲思い出しながら唄っていただきました。秋の童謡曲2曲は、里の秋と紅葉を唄いました。紅葉は季節としてはまだですが、”秋の童謡曲”ということで思い出していただきました。
→『赤とんぼ』では、皆様の声量は大きく、途中CDの音が小さい程になりました。(途中でCDの音量を加減しました。)そして曲の説明を実施。曲の回想のために、「赤とんぼはここ数年で見ることがありますか?」と会話を交えながら説明ができました。その後の、2曲(里の秋と紅葉)は思い出しとしては、非常によくできていました。歌詞を見ずともリズムに乗せて唄うことができていました。声量も落ちることなく2曲とも1番だけ歌唱しました。

4.手遊び歌
先ずは『七つの子』を歌唱し、その後同時に手遊びを実施。手遊びは、「グーチョキパー→手拍子」というものを実施しました。そして、この曲は馴染みのある曲になるので”暗唱”も挑戦しました。
→歌唱は先ほどと同じく声量が落ちることなくできました。手遊びは1回目はゆっくりと手遊びを実施しました。2回目は速さをあげて手遊びを実施しました。“唄いながら手遊び”は、簡単でした。手遊びに関しては、問題なく出せていました。中には、速い方が出しやすい方も見受けられました。前回ご指摘をいただいたので(多少は無理をしてでも出していただく)、なるべく全員が両手を出せるまでゆっくりと説明をしました。“暗唱”に関しては聴こえる限りでは、できていました。途中、セラピストが声を落としてクライアント様方のみに唄っていただけるように誘導をしましたが、できていました。その後、予定より少し時間が余ったので、『七つの子』にて脳トレの”「か」抜き歌”を急遽実施しました。説明も理解される様子で皆様に挑戦していただくと、中には間違える方が「あっ!」と声を出していただいたりとで、笑顔が前から見れました。

5.合奏
今回は、『虫の声』を合奏しました。合奏の内容は、
①タン (ウン) タン (ウン) タンタンタン
②片手で振る(反対の手に入れ替えあり)
③「ちんちろちんちろ…」の箇所を声のみで唄っていただく。(楽器はなし)
の3種類に重点を置きました。
→結果は、③のみ楽器を入れる方が数名いらっしゃいました。そこまで目立つものではありませんでしたが、完璧な結果ではありませんでした。前回、前々回と合奏は簡単な内容にしていたので、今回は少し難しいながらに最後は締まるように合奏の内容を提供しました。前回ご指摘をいただけた内容(最後に一本締めのようにすると集中し、引き締まる)を考え、そして7回目ということもあり、クライアント様の”合奏としての可能性”、”合奏の挑戦する楽しみ”を広げれるように考えました。

6.懐メロ
『憧れのハワイ航路』と『蘇州夜曲』を歌唱しました。どちらも曲の説明、そして曲の回想にて答えていただけるように質問を誘導しました。
→回想では、男性の方が手を挙げて答えていただけました。質問は、「この曲は誰が唄ってましたか?」や「その方は他にどのような曲を唄ってましたか?」になります。男性の方が、「岡晴夫!」や「東京の花売り娘!」と声を大きくして答えていただけました。あまり一人だけの回想にならないように、最前列の方を指名して答えていただけるようにも努めました。どちらかというと今回は人気曲の為、”声をしっかり出して唄う”ことを前提に考えてこの2曲にしました。後からのスタッフの話によると、蘇州夜曲では、普段なかなか唄われることが少ない女性の方が前をしっかりと見て唄っていただけた。とのことでした。

7.体操
『仰げば尊し』をBGMとし、座りながら簡単な体操を実施。クールダウンへの誘発になります。
→ここでの時間は、14時55分になりますが、クライアント様方は集中し一緒に体操を実施していただけました。中にはスタッフの方と同伴で体操をされる方も目にはいりました。静かに終わり、クールダウンへの誘発には成功しました。

8.クールダウン
『夕焼け小焼け』を目を閉じながら歌唱し、静かに終了。
→声はセラピストが手本になるように静かに唄うと、同じように静かに歌唱していただけました。クールダウンも取れることができました。そして静かに挨拶をして終了しました。集中力としても1時間があっという間と感じられる方が多数でした。しっかりと集中して1時間参加できていました。時間は、15時ちょうどの一時間プログラムになります。

記録・反省

・今回の全体的な目標としては、声を出していただく、というものでした。前回は、非常に声量が大きく、今回もなるべく流れを崩さないようにと考えてのものになります。そして、その目標は簡単に達成できていました。
・手遊びと暗唱では、簡単な曲でしたが、成功という結果が得れました。手遊び以外にも体操などを他の曲でもできるようにすることがこれからの課題になります。「曲を思い出して(暗唱して)同時に手遊び・体操をする」ようにを次回プログラムでもなるべく取り入れたいと思います。
・合奏では、挑戦する楽しみが表情にて感じ取ることができました。今回は少し難しい内容でしたが、難易度を徐々に上げてまだまだ可能性が広がるかと思えます。
・第七回ということもあり、半年間では様々な変化が見れました。
※歌唱率が高く、声量も非常に大きくなりました。
※はじめと比較して、楽しみにされる方や音楽療法の日を待ち遠しく感じる方が増えています。
⇒”QOLの向上”になります。
※合奏でのリズム取りが単調なものでなくても簡単に達成できています。当初では、単調なものでもリズム取りが全員一致とはなりませんでしたが、半年経つと、単調なもの以外にもリズム取りが、全員一致しています。
大きな変化としては、上記になります。クライアント様個人個人で見ると、スタッフの方には変化がよくわかるとのことでした。
二つ目のQOLの向上は、
・朝から楽しみにされている
・普段掛けない眼鏡をわざわざ持って参加する
・セラピストとの回想での会話のキャッチボールが楽しみにされている
・音楽療法の日が次はいつか、と聞かれる方が多数いらっしゃる
などのものになります。自分なりには、大きな成果でした。今回は半年経ちますが、変化が見れたことより、次は1年経ったときにどのような変化が見れるかを期待し、そしてその目標に努めれるようにプログラムも考えます。一年経過の時には、
・回想する機会を増やし、質問に答えれるようにする
・思い出す脳機能をもっと引き上げれるようにする
を現在考えています。

学院長より

本当に期待だね。とても充実しています。合奏のリズムですが、うんというリズムはむずかしいので、いれない方がいいですね。たん、うんではなく、たーーんとうんの分も長くすれば出来ます。仰げば尊しは感情移入してクールダウンには迎えませんよ。静かな曲ですが、特に思い入れの有る、悲しい別れを想像されますよ。