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2017.02.03
特集

音楽療法士〜資格取得後の奮闘記 第十一回「今年も勉強から」

第十一回特別養護老人ホームでの音楽療法が終了しましたので、アセスメント、プログラム、記録等をご報告させていただきます。

 

[アセスメント]

人数は、41名になります。
本日は今週の月曜日が祝日のため、入浴される方が水曜日に入れ替わり等あったため、普段より10名以上少ない参加になりました。
そして、体調の優れない方もいた為、今回は少ない参加になります。
スタッフ様方も体調の優れない方や入浴介助のため普段より限られた人数になります。
時間は普段より5分早い13時55分の始まりになります。

 

[プログラム]

1.挨拶
はじまりの挨拶をさせていただきました。1月という事もあり新年の挨拶も同時に実施。
アセスメントが今回は不十分に思えたため、挨拶と同時にアセスメントも実施致しました。
「今年の干支は?」や「今年は平成何年ですか?」などの話をさせていただき、クライアントの様子を伺いました。
答えていただける方は多くいらっしゃり、挨拶も兼ねさせていただきました。

 
2.準備運動
・丹田呼吸法
・発声法
の2つを実施しました。
→発声法は今回は滑舌をしっかりとしていただく為の、「あ・い・う・え・お・あ・お」という言葉を使い、「らりるれろらろ」と同じように舌をしっかりと使い発音を実施。
声がしっかりと出ている事が確認できたため、その後に新年の挨拶の「あけましておめでとうございます。」という文章を口をしっかりと開け発声しました。
準備運動もしっかりとできたところで次につなぎました。

 

3.季節の歌
『雪』を歌唱。その後、歌詞なしで冬の童謡曲を2曲思い出し歌唱しました。
2曲は、「たき火」(前回の季節の歌にて歌唱)と「冬景色」になります。
たき火は、3番まで思い出し、冬景色は、1番を思い出していただきます。
→『雪』は2番まで歌唱していただきましたが、声はしっかりと出ており問題なく歌唱できました。
本当なら『一月一日』の歌唱を予定してましたが、その後の合奏にて使用する為、今回は『雪』に変更致しました。
思い出して唄う2曲では、「たき火」は、2番で止まる方が多く見られましたが、3番のはじまりの「こがらし」という言葉をヒントとして出すとそのまま詰まることなく最後まで歌唱できました。
「冬景色」は、1番だけになります。
歌唱の様子を一人一人みていると、しっかりと思い出して歌唱されている様子が多く見受けられました。


4.歌体操
『ふじの山』を歌唱。そして同時に体操を実施。体操の内容は「ばんざい→肩を交差して触る→足を触る→手拍子1回」になります。
今回は、以前ご指摘いただいた通り、「全員が参加できるように」を目的として実施致しました。
→(体操は、肘や腕を伸ばしていただく為に配慮をしながら、ゆっくりと実施致しました。)
歌唱は、問題なくできました。
そして曲の1番2番の説明をし、富士山に関する質問もさせていただきました。「高さはどれくらいでしたか?」や「何県と何県にまたがりありますか?」と言った質問には多方面で多くの方が各々答えていただけました。
そして、「一富士、ニ鷹、…」という言葉にも多くの方が大きい声で「三茄子!」と言っていただけました。
【体操をしながらの歌唱】では、前列・中列の方はほとんどの方ができていました。
前列で難しい方には自ら補助にいき、前に立ちゆっくりと一緒にさせていただきました。
どうしても後列の方や、寝たきりの方がいらっしゃった為、スタッフの補助をお願いしました。
今回はスタッフ様方の人数も限られたため、全員に行き届くことは、結果としてはできませんでした。
終了後の反省会にて、これからはできる限りの補助や担当をお願いしますとお伝えさせていただきました。


5.合奏
『一月一日』(いちげついちじつ)を歌唱し、同時に合奏を実施。
今回は合奏にて、「しっかりと止めているか」、「リズムに合わせているか」を目的として取り組みました。
→合奏の説明をし、一度だけ練習をしましたが、練習の時点できれいに音が揃っていることが確認できたため、
しっかりと止めることを集中しながら本番に迎えました。
本番では、リズムに合わせることもでき、止める箇所もしっかりとできていました。
唄いながら合奏という面でも問題はありませんでした。
その後は楽器にて、三三七拍子、一本締めを実施。ここもきれいにできました。
ここでも全員が参加いただけるように寝たきりの方には、手を添えて補助をお願いしました。


6.懐メロ
『南の花嫁さん』と『愛ちゃんはお嫁に』を実施。
そして今回は、質問にて「南の花嫁さんは高峰○○○さんが唄われていましたが、名前は?」と聞くと、「みえこ!」「ひでこ!」と答えが分かれたため、追加の一曲として『銀座カンカン娘』を実施。
(銀座カンカン娘はその質問の答えを前提として準備しての実施になります。)
→『南の花嫁さん』では、女性の方が多く歌唱されていたように見れました。後列の方は音楽刺激があったのか、本日参加の中で急に口をしっかりと開け、歌唱される場面がありました。
その後に、「では、高峰秀子さんはどのような曲を唄われていましたか?」と聞くと、所々で「銀座カンカン娘」と答えていただける方がいました。
それに合わせ、音楽を鳴らし、『銀座カンカン娘』を歌唱していただきました。自ら手拍子を取り、唄われる方の姿が多く見れました。
『愛ちゃんはお嫁に』では、女性の方以外にも男性の方もしっかりとリズムに合わせ歌唱できていました。
曲の説明・映画の説明を実施し、「愛ちゃん」という言葉に反応される方はしっかりと当時の「愛ちゃんブーム」を思い出されていました。


7.体操
『白鳥』をBGMとし、一緒に座りながら体操を実施。
体操では、クールダウンをするため、次のプログラムに続けるため、静かに実施。
→4にて実施の歌体操と同じく参加はよく見れました。ですが、これも4と同じく補助が追いつく追いつかないもあり、全員までは難しい様子でした。


8.クールダウン
『夕焼け小焼け』を目を閉じながら歌唱。クールダウンを十分取っていただき、そのまま挨拶をし、終了致しました。
時間は15時ちょうどの終わりになりました。

 

[記録・反省]

・今回は急遽、スタッフの人数が限られたため、補助等が追いつかない場面がありました。
それに合わせ、体操の内容等も変更してもよかったかと終了後思えました。
終了後の反省会では、次回から少しクライアント様方の配置や誘導の順番を考えて補助に繋げていただけるとのことでした。
・合奏は、ここ数回にて「止める」「鳴らす」「リズムに合わせる」等がしっかりとできていたため、近いうちにレベルを上げ、グループとして分けて鳴らす内容を別々にする案を予定してます。
・懐メロの回想は、前回や今回のように何か”関連付けて”3曲目を選曲する方がクライアント様方の反応がよくわかり、回想に繋げることができると思えました。(全ての施設が共通とはなりませんが。)

 

【学院長より】

歌体操と体操と二種類の体操をするのは何か目的が有っての事ですか?
体操は高齢者用の心を落ち着ける物一つにして、時間が有るなら、とにかく回想に繋げる事を多くし、懐かしい歌謡曲の本人の歌を聴かせてあげて、題名当てや歌手当てをされたらどうですか?
計り知れない回想効果に繋がりますよ。
その内容が1番好きと言われる方が殆どですよ。
とにかく、当時の歌手の声が1番懐かしく振り返りが出来ますのでね