小学校教諭を定年後、再任用を経て退職と同時に、最後に勤務した学校の校長先生と同僚(同い年)と3人で、シニアを対象としたカルチャースクールを立ち上げ、「人生の第2ステージを楽しみませんか‼」のキャッチフレーズで、「限りなく広がる自分の可能性や魅力を引き出し、内面からの美しさをめざしましょう」と呼びかけました。
これまでの教師としてのそれぞれのキャリアを生かし、リズムダンスや音楽、カウンセリング(子育ての悩み等)を取り入れて5月にスタートしました。しばらくして、授業の中に「音楽療法の内容を取り入れた方がいいのでは?」という意見のもと、私が音楽療法士資格取得にチャレンジすることになりました。9月の新規募集のパンフレットに、どうしても音楽療法の内容を掲載したい!そのためには、とにかく時間がない!そこで7月末、当学院の門をたたき「何としても8月中に資格を取りたいのですが」と無茶なお願いをしたにもかかわらず、「前代未聞のことですが、あなたの努力次第では可能です。」と快諾していただきました。
ありがたいことにスクーリング等、可能な限りこちらの都合に合わせてくださり、親身になってご指導いただいたお蔭で、予定通り資格を取得することができました。
日本の高齢化率は世界最高で、実に4人に1人が高齢者(65歳以上)です。さらに高齢化は進むと言われています。今後、この国を維持していくためには、私も含めた高齢者が元気であることが必要不可欠です。当学院で高齢者について学ぶうちに、高齢者が、生涯生き生きと楽しく過ごしていくための、何かお手伝いはできないものかと思うようになりました。学院長である増田先生のセッションを通して研修を重ねる中、その思いは益々深まりました。
そこで資格を取得した後(歌唱療法士の資格も取得)、地元で「歌って♪若返り教室」を2教室開きました。この教室では、童謡唱歌や懐かしい歌謡曲を歌うことによって脳全体の活性化を図り、歌を歌いながら手指を動かすことで、動きにくくなった身体の機能を回復させ、心身ともに若返ることを目指しています。毎回大笑いで大盛り上がりです。教室の開催会場が町立の会館であるため、ときどき役場から「頼まれごと」があります。できるだけたくさんの方々に元気になっていただきたいので、町主催の『はつらつ講座』や『ゆうゆう大学』などの講師の依頼は、率先して引き受けるようにしています。皆さんに「歌って笑って楽しく介護予防♪」と伝えながら、気が付けばいつも私自身が一番楽しんでいるし、みなさんから元気をいただいています。
現在は、増田先生にご推薦いただいて、当学院の認定講師をさせていただいています。40年に及ぶ教師経験を生かせる内容について、主に担当させていただいています。みなさんが必要とされている内容について、私の持っている力の限り、お伝えできたらいいなと思っています。また、増田先生が開催されるコンサートにも出演させていただいています。
私は長年にわたって合唱・合奏指導をしてきましたが、教師というのは常に子どもの持っている力を最大限に引き出すための支援者であり、「子ども一人ひとりを輝かせる」ための黒子的な存在でした。それが一転してこれまでの「舞台に立たせる側」から「舞台に立つ側に」つまり「輝かせる側」から「輝かせてもらう側」になったのですから。まさに私自身が、最初のカルチャースクールのキャッチフレーズだったことばのごとく「人生の第2ステージを楽しんで」います。
今、私はとても幸せです。ミュージックインストラクターズ養成学院と出会えたことに感謝の気持ちでいっぱいです。